葛湯は誰でも飲んだ経験があると思います。
温かい葛湯は、一口飲むと本当にホットして幸せな気分になりますね。
特に寒くて手の凍える日に、帰宅して飲む葛湯は心まで温まる気がします。
でも、葛湯と同じような用途、形容で売られているものに片栗粉がありますね。
ここで葛粉と片栗粉について調べてみたいと思います。
Contents
葛粉は何から作られる?
葛と聞くとまず思い浮かぶのは温かい葛湯ですね。
でも葛湯の元、葛粉は何から作られているのでしょうか?
葛粉は、葛という蔓植物の根からとったでんぷんです。
葛はつるが地面を這い、他のものに巻き付いて10メートル以上も伸びます。
根本は木質化して、地下では肥大した長芋状になります。
大きいものは長さは1.5メートル、径は20センチにもなるそうです。
葛は他の澱粉にくらべ糊状に煮たとき、透明に近くなります。
冷めても、とろみが失われません。
葛について
葛粉は葛の根から取れる澱粉を精製して作られています。
葛切りや葛餅などの原料になります。
そして葛粉は良質の澱粉なので、効率よく栄養を摂るには最適な食材です。
貝原益軒の菜譜にも葛のことが記されているそうです。
葛粉は薬効を持ち、体を温め血行をよくするそして発汗を促して熱を取る為、風邪引き(葛根湯)や胃腸不良の時の民間治療薬として古くから珍重されてきました。
現在も風邪のひき始めには葛根湯は、きっと皆さんお世話になっていることと思います。
私も常備しています。
それでも近年は健康志向の高まりも手伝って、自然食品や健康食品としてますます注目をあびているようです。
有効成分として、イソフラボンが含まれています。
でも、葛粉は非常に高価ですし、供給量も少ないです。
それで一般的に葛を使わずに、代わりに廉価なジャガイモ澱粉などを原料にして葛切りを模した食材が一般に使われていたりします。
でも、ジャガイモ澱粉は、体を冷やす作用があるといわれますね。
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葛の産地は?
葛の産地と言えば、まず吉野の葛が思い起されるでしょう。
あの吉野の千本桜で有名な奈良県の吉野の葛です。
桜見に行くと道の両側に並んだお店にたくさんの葛が売られています。
葛根から採れる葛粉は、世界で最も質の高い料理用でん粉といわれ、葛の匠たちが昔ながらの「吉野晒し」という製法でつくり続けているとの事です。
吉野本葛は胡麻豆腐やあんかけ、揚げ物などの料理から、プリンや葛餅などの和洋菓子など、様々な面でご使用いただけますとのことです。
また近くのマーケットでも吉野の葛は置かれています。
買おうと思うと、なかなか高価でちょっと決心が必要ですね。
そして実は近くにも優秀な葛があります。
福井県若狭町の鯖街道熊川宿のある熊川です。
鯖街道は若狭から京都に魚を運んだ街道で熊川はその宿場です。
熊川の名に流れけり清き瀬に
さらす真葛のねもころころに
と江戸後期の国学者 伴 信友も詠んでいます。
熊川葛は、古くは17世紀頃より京都で売買されていて、お菓子の材料として重宝されてきたようです。
また、江戸時代の儒学者「頼山陽(らいさんよう)」が病気の母への見舞品として送り、その手紙の中で、
「熊川は吉野よりほど上品にて、調理の功これあり候」と評したことで知られているのだということです。
熊川葛はでん粉の発酵を防ぐために、谷川の冷たい伏流水を使い、寒晒しという製法で精製していると言うことです。
熊川葛は若狭鯖街道熊川宿、道の駅若狭熊川宿、道の駅若狭おばま等で販売されています。
では片栗粉とは?
言うまでもなくじゃがいもの澱粉ですね。
以前じゃがいもを作るとたくさんのかわいいチビちゃんのじゃがいもが出来るので、父はミキサーでつぶして、晒して片栗粉を作っていました。
でも、片栗粉というのは本当はじゃがいもから作るのでは無いのですね。
かつては文字通り、日本北東部の原野などに自生するユリ科のカタクリの根茎から作られていたのですね。
「自生のカタクリが減少し、明治以降、北海道開拓が進みジャガイモが大量栽培されるようになって原料はジャガイモに切りかわっていったけれど、名称はそのまま残った」とウィキペディアに記されていますね。
まとめ
葛はとても上品な食材ですね。
そして薬効もあります。
体を温め血行をよくします。
風邪の引きはじめには葛根湯として、また胃腸不良の時は民間治療薬として古くから私たちの身近に親しまれ、役だってきました。
そして今、葛湯はダイエットにも役立つそうですよ。
ちょっと疲れた時や、ゆっくり何かを口にしたい時に甘いものが欲しいなと思ったら、葛湯を!!!
葛湯はバターや生クリームも使っていないのでとても低カロリーです。
葛湯でヘルシーに気持ち豊かになりましょう。