ポリフェノールが注目される働きの1つに活性酸素の働きを抑える「抗酸化作用」があります。活性酸素が体内で過度に作られてしまうと、その殺菌力や酸化によって正常な細胞を損傷させてしまい、色んな病気につながってしまうのですが、ポリフェノールはその酸化を抑制する効能が認められているのです。
ポリフェノールの代表例としては、赤ワイン、緑茶のカテキン、フラボノイド、ブドウのアントシアニン、イソフラボンなどがあります。一般的に渋みや苦味が強く、比較的濃い色の植物の実にたくさん含まれています。
なぜポリフェノールは体に良いの?
前述のように、ポリフェノールには強力な抗酸化作用があり、体に良い成分として、すっかり一般的に知られるようになりました。「ポリフェノール」という1つの物質というわけではなく「2つ以上の水素基(OH)がついたフェノール環構造をもつ分子の総称」となります。
また、ポリフェノールは抗酸化力が優れた「ファイトケミカル」の一種で、その種類は4000以上もあり、ほとんどが水溶性で抗酸化作用を持っています。この優れた抗酸化力が老化や動脈硬化、がん、生活習慣病などの病気を抑制することにつながります。
ちなみにポリフェノールの「ポリ」には「多くの」という意味があり、よって「ポリフェノール」には「多くのフェノール」という意味があります。フェノールとは、コール タールから作った、防腐・消毒に使う無色針状の結晶体のことでベンゼンの水素1つがヒドロキシ基で置換された物を指します。
ポリフェノールに期待できる効果
ポリフェノールには、強力な抗酸化作用で体の中の活性酸素を取り除いてくれる働きがあります。活性酸素は老化やシミ、シワなどの肌トラブルの原因になる場合があります。
一般的に人間が呼吸をすると、酸素の一部が酸化してしまい、体に悪い影響を及ぼしてしまう事があります。例えば喫煙すると、活性酸素が増えすぎて、皮膚だけでなく、臓器にまで良くない影響を与えてしまったりします。
ポリフェノールが持つ抗酸化作用によって、老化の進行を抑制し、健康で若々しい体をキープしてくれるようになります。また、LDLコレステロールといわれる抗酸化作用の根源を抑制し、コレステロール値を下げ、血液をサラサラにして動脈硬化や血栓を防いでくれます。さらに、目の疲れにもポリフェノールは良い効果が期待できるといわれています。
ポリフェノールはどれくらい摂取すれば良い?
健康にたいへん効果が期待できるポリフェノールですが、どのくらい摂取すれば良いでしょうか?よくこういった成分の1日の摂取量は厚生労働省が制定している食事摂取基準というものがあるのですが、ポリフェノールについては1日の推奨摂取量が記載されていません。
ただ、ポリフェノールの多くは水溶性のため、水に溶けやすく吸収されやすい性質を持っており、接種後約30分には作用が表れ始めるといわれています。体の中に入ってしまうと、体内での滞在時間が短く、作用も長時間持続せず、さらに異物として認識されてしまい体外に排出されてしまいます。
こういった性質を持つことから、ポリフェノールはこまめに摂取することが大事だということがわかります。また、食品により摂取できるポリフェノールの量には違いがあり、またその種類も多いため、基準を示すのが難しいともいえます。ポリフェノールの摂取を目的とするときには、各食品の適量を摂取するように心がけましょう。
ポリフェノールを摂る際のポイント
ポリフェノールの摂取は主に食品から摂ることになりますが、せっかくポリフェノールを多く含む食品でも、調理法によっては酸化物質を増やし、抗酸化物質を減らしてしまうこともあるので注意が必要です。
ポリフェノールの摂取を目的として食事をする際はしっかり調理法にも気を使って摂取するようにしましょう。また、ポリフェノールの摂取を目的としているのに、他の成分を摂りすぎてしまうケースも考えられます。例えば普段の生活にプラスしてコーヒーを2杯くらい飲むことでポリフェノールを理想的に摂取することができますが、コーヒーや緑茶には中毒性のあるカフェインも含まれています。
他の成分の摂り過ぎには注意して毎日適量を摂るようにしましょう。抗酸化食品を効率よく摂取し、様々な病気の原因となる体のサビ予防に心がけて健康的な生活を送ってください。